国際

紛争からいのちを救うために

1. 傷病者を搬送する

ミサイルによる攻撃を受けた現場から、安全な場所に傷病者を搬送するウクライナ赤十字社のボランティア

これは紛争で負傷した人々を安全に医療機関へ搬送する活動です。

紛争地では医療資源が限られていることが多いため、迅速かつ効率的な搬送が求められます。しかし、戦闘でインフラが破壊された紛争地での搬送は、しばしば徒歩や担架といった人力での対応を迫られます。搬送中は常に傷病者の状態を監視し、必要に応じて応急手当を施します。また、多数の負傷者が発生した場合には、治療が最も必要な人を優先して搬送するトリアージ(医療従事者による負傷者の重症度や緊急性に基づく判断)も行われます。

赤十字は各地の紛争の最前線で傷病者の搬送活動を展開していますが、その担い手の多くが赤十字のボランティアです。このため、搬送を担う救護員の適切な保護も重要で、戦争のルールである「国際人道法(ジュネーヴ条約)」では、紛争当事者に対し傷病者搬送などの医療活動の保護を義務付けており、その視認性を高めるために救護員や輸送手段には赤十字マーク(標章)を掲げています。赤十字マークはしばしば病院や薬局等のシンボルのようにみられていますが、その本来的な意義は戦地における傷病者の搬送といった医療・人道支援活動の保護のためにあります。

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