国際

紛争からいのちを救うために

3. 生活必需品を提供する

支援物資を受け取るシリアの子どもたち

これは紛争で物資の調達が困難になった人々に対して、生活必需品(水、食料、衣類、衛生用品など)を配布する活動です。

生活必需品の配布は紛争で損なわれた人々の生活基盤を支える極めて重要な活動です。例えば食料については多くの場合、缶詰や乾燥食品など長期保存が可能な食品が提供されます。また、安全な飲料水は健康の維持のみならず、コミュニティの衛生環境を清潔に保つために不可欠です。このために、浄水器や水タンクの提供により安全な水を確保すると同時に、石鹸や生理用品などの衛生用品の配布により、感染症の予防にも努めます。寒冷地などでは、防寒具や毛布を配り健康の悪化を防ぎます。また、最近では被災地で一定の物流が維持されている場合には、「現金給付」といって被災者にカード等を配布し、自身の判断で必要な物資を購入・調達してもらう支援も行われています。

生活必需品の配布においては、現地ニーズを把握し、被災状況に応じた配布計画の策定が重要です。このため、現地ニーズを熟知した地元の赤十字ボランティアが活躍しています。ボランティアが支援活動に関与することや、給付された現金をもって被災者が自ら購買する意思決定は、地域社会の復興や被災者の心理的サポートにおいてもプラスの効果があると言われています。こうした現地の人々(コミュニティ)が支援活動を主導するアプローチを「地域主導の支援活動(ローカライゼーション)」と呼び、持続可能な支援のために重視されるようになっています。

紛争地で生活必需品の配布に従事する赤新月ボランティア(パレスチナ)

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