国際

紛争からいのちを救うために

5. 自由を奪われた人々の声をきく

収容所を訪問するICRC職員(ソマリア)

紛争で捕虜となった兵士や様々な理由で収容された人など、外部と隔絶された状況にある人々の人道状況を監視し、その尊厳を守る活動です。

国際人道法上、赤十字にはこのような自由を奪われた人々へのアクセス権が認められています。赤十字は長年にわたり、世界各地の捕虜収容所や刑務所などを定期的に訪問し、収容者との面会を続けてきました。訪問時には、人々が適切な食事がとれているか、衛生的な環境で生活できているか、健康のための運動や宗教上の配慮がなされているかなどを実地で確認します。問題があれば当局に改善を求めることもありますが、これは非公開で行われます。なぜならもしこれが公にその処遇を非難するような形で行われた場合、当局との関係が悪化し、施設への立ち入り自体ができなくなる恐れがあるからです。こうしたアプローチは、赤十字の「中立」の原則に由来します。中立は、紛争には関わらないという無関心な態度と誤解されることもありますが、あくまでその目的は犠牲者へのアクセスを確保することにあります。

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